股関節が痛むと、歩いたり階段を上ったりするだけでも負担を感じることがあります。「ストレッチをすればよくなるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、無理に伸ばすことで、かえって痛みが強くなる場合もあります。

股関節の痛みには、筋肉や腱への負担、関節の変形など、さまざまな原因が考えられます。大切なのは、痛みを我慢して動かさず、自分の状態に合った対処をすることです。

今回は、股関節が痛む主な原因や自宅での対処法、医療機関を受診する目安、日常生活で気をつけたいポイントを解説します。

股関節が痛くなる主な原因

股関節の周囲には多くの筋肉や腱があり、歩く、立つ、座るといった動作を支えています。

急なストレッチや強い衝撃などによって筋肉や腱に過度な負担がかかると、股関節周辺に痛みが生じることがあります。

また、股関節の痛みは筋肉や腱だけが原因とは限りません。関節の軟骨がすり減る変形性股関節症や、骨盤側の受け皿が浅い臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)などが関係している場合もあります。

痛みが出る場所や動作によって考えられる原因は異なるため、症状が続く場合は整形外科で確認することが大切です。

股関節が痛いときに避けたい3つの動作

自宅で床に置かれた重い段ボール箱を持ち上げようとする女性

股関節に痛みがあるときは、無理に動かさず、負担を増やさないことを意識しましょう。

1. 痛みを我慢してストレッチする

股関節が硬いと感じると、つい強く伸ばしたくなるかもしれません。しかし、筋肉や腱に負担がかかっている場合、無理なストレッチは痛みを悪化させる可能性があります。

2. 普段より重いものを持ち上げる

重い荷物を持ち上げる動作は、股関節に大きな負担をかけることがあります。特に、普段持ち慣れていない重量のものを無理に持つことは避けましょう。

3. 痛みがあるのに階段を上り続ける

階段の上り下りは日常的な動作ですが、痛みが出ているときに無理をするのはおすすめできません。

痛みを感じる動作を控え、必要に応じて手すりを利用するなど、股関節への負担を減らす工夫が大切です。

股関節が痛いときに自宅でできる対処法

自宅のソファに座り、痛みを感じる股関節の周辺に手を添える女性

股関節に軽い痛みがある場合は、まず痛みを引き起こす動作を減らし、無理のない範囲で生活しましょう。

自宅でできる対処法として、温めたり、負担の少ない姿勢で休息を取ったりする方法があります。ただし、温めることで必ず痛みが改善するわけではありません。けがをした直後などは冷却が適している場合もあります。

また、股関節のストレッチや運動は、原因や体の状態によって適切な方法が異なります。

すべての人に同じストレッチが効果的とは限らないため、インターネットで見つけた運動を無理に試すのではなく、医療機関で相談し、自分に合った方法を確認することが大切です。

股関節の痛みで病院を受診する目安

股関節の痛みが日常生活に影響している場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

特に、次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 歩くと股関節が痛む
  • あぐらをかくと痛みが出る
  • 正座や横座りがつらい
  • 立ち上がるときや階段の上り下りで痛む
  • 痛みが長く続いたり、徐々に強くなったりしている

こうした症状は、筋肉や腱だけでなく、股関節そのものに問題が生じている可能性もあります。

整形外科では、症状や体の動きを確認し、必要に応じてレントゲンやMRIなどの検査を行います。原因に応じて、薬物療法やリハビリテーション、場合によっては手術などが検討されます。

なお、転倒後の強い痛みや、足に体重をかけられないほどの痛みがある場合は、速やかに救急受診が必要です。 発熱を伴う強い痛みや腫れがある場合も、早急に医療機関へ相談してください。

股関節の痛みを予防するための生活習慣

股関節の健康を保つには、日頃から負担をかけすぎない生活を心がけることが大切です。

特に意識したいのが、体重管理と適度な運動です。

体重が増えると、股関節や膝にかかる負担も大きくなります。バランスのよい食事を心がけ、適正体重を維持することが、関節への負担を減らすことにつながります。

また、痛みがなく、医師から運動を制限されていない場合は、ウォーキングや階段の上り下りなど、日常的な運動を続けてもよいでしょう。

ただし、運動中に痛みが出る場合は無理をせず、運動量や内容を見直すことが必要です。

股関節の痛みを予防するためにも、特別なストレッチにこだわるのではなく、日常生活の中で無理のない運動と体重管理を続けてみてください。

まとめ

股関節の痛みには、筋肉や腱への負担、関節の変形など、さまざまな原因があります。

痛みがあるときは、無理にストレッチをしたり、重いものを持ち上げたりせず、股関節への負担を減らすことが大切です。

歩行や座る動作など、日常生活に支障が出ている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

普段から適度な運動と体重管理を心がけ、ぜひ股関節をいたわる生活習慣を身につけてくださいね。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、医療機関にご相談ください。