腰椎椎間板ヘルニアによる腰の痛みや足のしびれは、日常生活にも影響を与えるつらい症状です。痛みをやわらげるためには、適切な治療を受けるとともに、普段の姿勢や体の動かし方を見直すことも大切です。

実際に、痛みが軽くなった方の中には、座り方を改善したり、無理のない運動を習慣にしたりしている方がいます。

今回は、整体・整骨院の現場で見られる改善のヒントをもとに、ヘルニアの痛みと向き合うための生活習慣やセルフケア、注意したい行動についてご紹介します。

ヘルニアの痛みはなぜ起こる?

背骨の骨と骨の間には、クッションの役割をする「椎間板」があります。腰椎椎間板ヘルニアは、この椎間板の一部が飛び出し、周囲の神経を刺激したり圧迫したりすることで、腰や足に痛み、しびれなどが生じる病気です。

発症には加齢による椎間板の変化や体への負担など、さまざまな要因が関係しています。

また、長時間同じ姿勢で座ったり、体を動かさない時間が続いたりすると、腰まわりの筋肉が硬くなり、痛みや不快感につながることがあります。

特にデスクワークが多い方は、座りっぱなしにならないよう、日頃から体を動かす機会をつくることが大切です。

ヘルニアの痛みが軽くなった人に共通する3つの習慣

デスクワークの合間に立ち上がり、背中を軽く伸ばして休憩する女性

整体・整骨院の現場では、痛みが軽くなった方に、生活習慣を見直しているという共通点が見られることがあります。

1. 長時間同じ姿勢を続けない

座りっぱなしを避け、1時間に1回程度は立ち上がったり、軽く歩いたりすることを意識しましょう。

同じ姿勢を続けないことで、腰まわりの筋肉の緊張をやわらげることにつながります。

2. 座り方や歩き方を意識する

足を組む癖を見直し、体に負担の少ない座り方を心がけることもポイントです。

ただし、無理に背筋を伸ばし続ける必要はありません。お腹を軽く意識しながら、自然で楽な姿勢を保つようにしましょう。

3. 生活習慣の改善を継続する

一時的に姿勢を正すだけでなく、毎日の生活の中で少しずつ習慣を変えていくことが大切です。

無理のない範囲で体を動かし、自分に合った姿勢や動作を意識することが、腰への負担を減らすきっかけになります。

自宅でできるヘルニアのセルフケア

マットに座り、専門家から腰の負担を考慮したストレッチの指導を受ける女性

ヘルニアの症状が落ち着いているときは、軽い運動やストレッチが役立つ場合があります。

例えば、四つんばいになって背中をゆっくり丸めたり反らしたりする「キャットアンドカウ」は、背骨を穏やかに動かす運動です。

また、お尻や太ももの裏側の筋肉を無理なく伸ばすストレッチも、体の柔軟性を保つために取り入れられます。

症状によっては、腰を軽く反らす「マッケンジー体操」が適している場合もあります。ただし、腰を反らす動きが合わない方もいるため、自己判断で無理に行うことは避けましょう。

大切なのは、痛みやしびれが強くならない範囲で、自分の状態に合った運動を選ぶことです。運動を始める際は、医師や理学療法士などに相談すると安心です。

整体ではどのように体のバランスを整える?

整体や整骨院では、筋肉や筋膜の緊張に着目し、体の動きやバランスを整えるための施術が行われることがあります。

施術方法には、筋肉に圧を加える手技や、専用ベッドを使った調整、オステオパシーなど、さまざまなものがあります。

こうした施術が筋肉のこわばりや腰まわりの不快感をやわらげる助けになる場合もありますが、飛び出した椎間板を元の位置に戻したり、ヘルニアそのものを治したりする効果が確立されているわけではありません。

ヘルニアが疑われる場合は、まず整形外科で診断を受け、必要な治療やリハビリテーションを検討しましょう。整体などの手技によるケアは、症状に応じて補助的に考えることが大切です。

ヘルニアの痛みを悪化させないための3つの注意点

痛みが落ち着いてきた場合でも、体への負担が大きい動作には注意が必要です。

  1. 重い荷物を無理に持ち上げない:急に重いものを持ち上げる動作は、腰に大きな負担がかかることがあります。
  2. 急に激しい運動を始めない:筋力トレーニングやスクワットなどは、症状に合わせて少しずつ取り入れましょう。
  3. 痛みを我慢してストレッチしない:腰を反らす、丸めるといった動きは、人によって症状への影響が異なります。

ヨガやピラティスなども、体の状態に合わせて取り入れることが大切です。痛みを我慢して続けるのではなく、無理なく継続できる方法を選びましょう。

信頼できる専門家を選ぶポイント

ヘルニアの症状について相談する際は、専門家の資格や経験だけでなく、説明のわかりやすさにも注目しましょう。

現在の症状や体の状態を確認し、施術や運動の目的、期待できること、注意点を丁寧に説明してくれるかどうかが判断材料になります。

また、ホームページの情報や広告の多さだけで判断せず、必要に応じて医療機関への受診を勧めてくれるかどうかも大切です。

特に、足のしびれや筋力低下が続く場合、痛みが悪化する場合は、整形外科で相談しましょう。急に尿が出にくくなる、排尿・排便をコントロールできなくなる、股の周囲の感覚が鈍くなるといった症状がある場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

ヘルニアの痛みと上手に付き合うために

ヘルニアの痛みが軽くなった方には、座り方を見直したり、こまめに体を動かしたりするなど、生活習慣の改善を続けているケースがあります。

ただし、痛みの原因や適切な対処法は人によって異なります。自己流のストレッチや運動に頼りすぎず、必要な診察や治療を受けることが大切です。

まずは日常の小さな習慣から見直し、無理のない範囲で、腰にやさしい生活を続けてみてくださいね。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の施術やセルフケアによる症状の改善・再発防止を保証するものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。