毎月訪れる生理痛に、悩まされている方も多いのではないでしょうか。薬に頼らず自然な方法で痛みを和らげる手段として、鍼灸セルフケアが注目されています。
今回は、専門家のアドバイスをもとに、自宅で簡単に取り入れられるセルフケアの方法をご紹介します。鍼灸の効果やツボの押し方、日常で気をつけるべきポイントなど、すぐに役立つ内容をまとめました。
毎日の生活に無理なく取り入れられる鍼灸セルフケアで、生理痛の負担を軽減していきましょう。
生理痛の原因は生活習慣にも関係がある
生理痛は、体の冷えや長時間の座り仕事、生活環境の変化によるストレスなど、さまざまな生活習慣や環境の影響を受けます。これらの要因が子宮内膜の状態を悪化させ、生理痛を引き起こすことがあるのです。生理痛のメカニズムを知り、生活習慣を見直すことで痛みを和らげる方法を考えてみましょう。
鍼灸で生理痛が和らぐ理由とは?
鍼灸が生理痛に効果的である理由は、血流を改善する作用があるからです。子宮内膜は血液によって構成されているため、血流が悪いとその状態が悪化し、生理痛の原因となります。鍼灸は、血行を促進して痛みを緩和するだけでなく、ホルモンバランスの調整にも役立つため、生理痛のケアに適した方法として注目されています。
家庭で簡単にできる生理痛改善のツボ押しとお灸

自宅でできる簡単なセルフケアとして、以下のツボを刺激する方法があります。
- 気海(きかい)|おへそから指約2本分下、生理痛や便秘の緩和に役立つ
- 関元(かんげん)|おへそから指約4本分下、腰痛や冷え性の改善に効果的
- 中極(ちゅうきょく)|関元のさらに指1本分下、生理不順や膀胱トラブルにも対応
- 帰来(きらい)|中極から左右に指3本分離れた場所、婦人科系のトラブルに対応
これらのツボを刺激するには、お灸が効果的です。「火を使わない『太陽』のような貼るタイプのお灸も使いやすく、安全にツボを温めることができます。ツボ押しに加え、お腹を円を描くように3分間マッサージすると、血流がさらに良くなり効果が増します。
セルフケアで気をつけること
セルフケアは毎日継続して行うことが大切です。発熱時や体調不良時には避けるようにしましょう。生理中でも無理のない範囲でセルフケアを行うと、痛みが和らぐことがありますが、体調に合わせて行うことを心がけましょう。
先ほどもご紹介しましたが、セルフケアではお灸がおすすめ。煙が出ることに不安などがある場合は以下にも注意しましょう。
- 匂いは残ってしまうのでフロアスプレーや消臭剤を用いる
- 火災報知器が反応することは少ないが、15個以上のお灸を一度に行う場合は十分に換気を行う
日常生活でできる、生理痛を和らげるポイント
生理痛の軽減には、日々の生活習慣も重要です。以下のポイントを意識すると、血流が良くなり痛みが和らぎやすくなります。
- 体の冷えを防ぐため、温かく過ごしましょう。
- 適度な運動が血流を促進します。
- 食生活の見直しで、バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 水分補給を十分に行い、血液が健康的に循環するようにします。
- ストレス管理に努め、リラックスできる時間を持ちましょう。
多くの方が「生理中にやってもいいのか」質問をいただきますが、生理中でも行ってあげてください。中にはツボを刺激したことにより生理痛が軽減したという方もいらっしゃいます。生活に無理なく取り入れることで、セルフケアの効果を高められます。
なお、生理痛を軽減するための自然療法は、鍼灸以外にも漢方があります。身体の内面から体質を変化させる漢方は効果的ですが、時間がかかることが難点です。
現在の状態にもよりますが、漢方で改善を考えるのであれば6ヶ月は服用し続けてみてください。
鍼灸セルフケアを毎日の習慣にして生理痛を軽減しよう
鍼灸を取り入れたセルフケアは、薬に頼らず生理痛を和らげる自然な方法として、多くの人に支持されています。毎月の痛みに対して、日々のケアで体質改善を目指すことで、長期的な軽減が期待できます。無理のない範囲で実践し、自分に合った方法を見つけていきましょう。
また、生理痛は治らないと諦めている方もいらっしゃると思います。毎月定期的にくる生理痛を考えると痛み止めの薬を飲んだり、ピルを服用されるのが一番早くもちろん効果的ですが、当院にお越しくださる方は「薬を飲み続けるのを変えていきたい」とおっしゃる方がほとんどです。
今後の人生で妊娠や出産を考えていく上で不安がある方はお近くの鍼灸院に相談をしてみてください。