はじめに
eスポーツを快適にプレーするためには、「何となく高性能そう」という曖昧な基準ではなく、ゲームタイトルごとの要求スペックと自分の予算・目的をきちんと照らし合わせてPCを選ぶことが大切です。
しかし、CPU型番の数字やGPUの世代が並ぶだけでは、初心者には違いがわかりにくいもの。この記事では2025年最新パーツ事情をふまえ、
- eスポーツに必要な「体感差が出る」パーツ選び
- 人気タイトル別のフレームレート目安
- 購入時につまずきがちな落とし穴
を丁寧に解説します。読み終えた頃には、自分にとって最適な1台を自信を持って選べるようになります。
📑目次
- ゲーミングPCに求められる3つの性能指標
- 主要パーツ解説:CPU・GPU・メモリ・ストレージ
- 人気eスポーツタイトル別 推奨スペック一覧
- BTOと自作、どちらが得か?
- 購入時にありがちな失敗と回避策
- よくある質問Q&A
- まとめ|“今”と“2年後”を見据えた賢い選択
1️⃣ ゲーミングPCに求められる3つの性能指標
1. 平均フレームレート(fps)
eスポーツでは144fps以上が快適ライン、上位勢は240fpsを目指すケースが一般的です。フレームレートが安定すると入力遅延が減り、撃ち合いで有利になります。
2. 応答時間と入力遅延
PCのスペックだけでなく、モニターや周辺機器が影響する指標です。マザーボードやUSBポートの世代にも注意しましょう。
3. 将来の拡張余地
2025年はPCIe 5.0 SSDが普及期に入りました。後からGPUを載せ替える場合に備え、電源とケースエアフローもチェックしておくと長く使えます。
2️⃣ 主要パーツ解説:CPU・GPU・メモリ・ストレージ
CPU:Intel 14世代 vs AMD Ryzen 8000シリーズ
- エントリー向け:Core i5-14500 / Ryzen 7 8700G
- ミドル〜ハイ:Core i7-14700KF / Ryzen 9 8900X
コア数よりも高クロックとキャッシュ量がfpsに直結します。LoLやVALORANTならi5で十分、ApexやFortniteの競技設定ならi7/Ryzen9が安心。
GPU:RTX 40 SUPER 系列が主流
- 144fps目標:RTX 4060 Ti 16GB
- 240fps目標:RTX 4070 SUPER / RX 7800 XT
DLSS 3の対応ゲームが増え、AIフレーム補間でfpsを底上げできます。
メモリ:16GB→32GBが新スタンダード
DDR5-5600以上を2枚1組で。MODや配信ソフトを同時起動するなら32GBが快適です。
ストレージ:PCIe 4.0 Gen4 NVMeが最小ライン
ロード時間短縮はストレス軽減に直結。容量は1TBあると大型アップデートにも余裕。
3️⃣ 人気eスポーツタイトル別 推奨スペック一覧(1080p競技設定)
タイトル | 144fps目安 | 240fps目安 |
---|---|---|
VALORANT | i5-14500 + RTX 4060 | i7-14700K + RTX 4070 SUPER |
Apex Legends | i7-14700F + RTX 4070 | Ryzen 9 8900X + RTX 4080 |
Fortnite (UEFN) | i5-14500 + RTX 4060 Ti | i7-14700K + RTX 4080 SUPER |
League of Legends | i3-14100F + GTX 1650でも可 | i5クラス + RTX 4060で十分 |
補足
1440pや配信を並行する場合は1段階上のGPUを推奨。
4️⃣ BTOと自作、どちらが得か?

BTO(Build to Order)のメリット
- 初期不良時の一括保証
- OSプリインストールで到着後すぐ遊べる
- 量産調達で自作より価格が下がる場合も多い
自作のメリット
- パーツ構成を完全カスタム
- セール活用で最安を狙える
- “作る楽しさ”とメンテナンス知識が身につく
結論:初心者はBTOで“伸びしろ構成”を買い、将来GPUだけ自分で交換するハイブリッド戦略がコスパ◎
5️⃣ 購入時にありがちな失敗と回避策
- ケースが小さすぎてGPUが入らない
→ 購入前にGPU長とケース許容長を必ず確認。 - 電源容量不足
→ 4070以上なら80PLUS GOLD 750W以上を推奨。 - Wi-Fi 6E未対応
→ オンライン対戦で有線が難しい人はマザボの規格にも注意。 - メモリを1枚刺しにしてしまう
→ デュアルチャネルで帯域が倍になる。必ず2枚1組。
6️⃣ よくある質問Q&A
Q. ノートPCでもeスポーツはできますか?
最新のRTX 4070 Laptopでも144fps安定は難しく、競技志向ならデスクトップが無難。
Q. モニターは何Hzを選べばいい?
GPU性能を144fpsで頭打ちさせるなら165Hz、240fpsを狙うなら240Hz対応を。
Q. 5年先まで買い替えたくないです…
CPUはi7以上、GPUはRTX 4080クラスにし、電源とケースを余裕仕様にすれば“GPUだけ3年後に交換”で延命可能。
まとめ|“今”と“2年後”を見据えた賢い選択
ゲーミングPC選びで失敗しないコツは、現在の実力に合わせて買うのではなく、成長後のプレースタイルを見据えて余力を持たせることです。
144fpsが目標ならRTX 4060 Ti、240fpsを視野に入れるならRTX 4070以上。あとはメモリ32GBと高速SSDを押さえれば、配信や動画編集にも踏み出せる“万能マシン”になります。
スペック表だけに振り回されず、「自分がどんなゲームを、どんな環境で、どれくらい本気で遊びたいか」を軸に、自信を持って最適な一台を選んでください。