印刷物デザインは情報を伝えるためにデザインされたものであり、チラシやパンフレットのことで、デジタルデザインはデジタル広告やポートフォリオ、ソーシャルコンテンツなどのことです。

以前は印刷物デザインが主流でしたが、最近ではデジタルデザインも増えてきました。

今回は、印刷物デザインとデジタルデザインの比較や、それぞれのメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。ぜひ、最後まで読んで参考にしてください。

印刷物デザイン・デジタルデザインの比較

印刷物デザインとデジタルデザインにはどのような違いがあるのでしょうか。

印刷物デザイン

  • 印刷物デザインには解像度などの印刷に耐えうる画質が求められます。
  • 見え方をデザイナーがコントロールできます
  • デザインできる範囲が決まっています

デジタルデザイン

  • デジタルデザインはウェブデザインの場合はブラウザによって見え方が異なるので、それを考慮してデザインを進める必要があり、印刷のように見え方を完全にコントロールすることができません。
  • スクロールにより縦方向のデザインの長さに制限がありません。

印刷物デザインの「CMYK」、デジタルデザインの「RGB」とは

次に、CMYKとRGBについてそれぞれ詳しく説明していきます。

CMYK

「CMYK」は三原色にキープレートという黒の版を足した色です。蛍光などは表現できないため、その場合はDICやPANTONEなどの特色を使います。

RGB

「RGB」は光の三原色を混ぜて作るものです。RGBはCMYKに比べ色の表現領域が広いため、RGBで制作したものをCMYKに変換すると、CMYKで表現できる最も近い色に変換されくすんだような色に変わります。

印刷物デザインとデジタルデザインのメリット・デメリット

「Demerit」と「Merit」と書かれた雲型のオブジェとカラフルな色鉛筆の画像。

印刷物デザインとデジタルデザインにはそれぞれどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しく比較しながら解説していきます。

印刷物デザインのメリット

  • 印刷物デザインはデザイナーの意図が反映される
  • さまざまな材質の紙を使用することができ、紙の材質までデザインとして組み込むことができる。
  • デジタルデザインの場合、スクロールをしてデザインを見ていく形になることが多いが、印刷物の場合は手に取ってから一度に必要な情報が目に入る

デジタルデザインのメリット

  • デジタルの良い点はいつでも内容を変更できる利便性
  • 情報の掲載量に上限がないので、足りなければページを足すことも可能である。
  • デジタルの場合、情報を発信するプラットフォームさえあれば、コストもかからず無料で発信ができる。

印刷物デザインのデメリット

  • 紙のサイズがA4やA3などあらかじめ決まっているため、デザインの範囲が制限されてしまうこと。
  • カラー印刷や特殊なインクを使用するとコストがあがるので、デザインの表現が制限される可能性もある。
  • 印刷物の配布や張り出しをしなければ見てもらえない

デジタルデザインのデメリット

  • デザイナーの意図が完全に反映されない場合があり、印刷より多くの制約がある
  • スマートフォンやパソコン、タブレット端末などさまざまなデバイスに適した画面サイズにしなければならない。
  • どのブラウザからみても同じように見えるように設定しなければならない。

印刷物とデジタルデザインの違いで起こる失敗

デジタルで色鮮やかに写っている絵をそのまま印刷するとCMYKとRGBの色の仕組みの違いで、印刷物がくすんだ色合いになって印刷されてしまいます。

効果的な印刷物デザインを作るコツ

さらに効果をあたえる印刷物デザインを作るにはどのような工夫が必要なのでしょうか。

3つありますので順番にみていきましょう。

紙の種類や印刷手法を工夫する

印刷は紙の種類、箔押しやUVコートなどさまざまな印刷手法によって印象を変えることができるので、それぞれの目的にあった選択ができる。

商品やキャッチコピーを読みやすくする

最も目立たせたい商品やキャッチコピーを、デザインを見たときにすぐに目に入る位置におきましょう。単に文字を大きくするのではなく、読み手に読みやすくなるように周りにスペースをとったり工夫するのもポイントです。

余白を作る

ただ並べていくだけでなく、余白やスペースを有効活用することで、より見やすいデザインになります。余白はバランスをとるためにも必要なものなので、レイアウトを考える際には意識して作ってみてください。

効果的なデジタルデザインを作るコツ

ノートに「POINT」と書かれたメモ、スマートフォンとキーボードが並ぶデスク上の様子。

次は、効果的なデジタルデザインについて3つポイントを解説していますので、みていきましょう。

ウェブデザイン内のアイコンを動かすことで視認性を高める

デザイン内に動きがあることによって、目で追うため視認性が高まります

情報がわかりやすい

ただ情報を詰め込んでいるだけでは、どこに情報があるのか探すのも大変です。どこを見ると必要な情報が載っているのか、見る人がすぐに見つけられるようなデザインにしましょう。そのためには、必要な情報をしぼり、テキストや画像を詰め込みすぎないのがコツです。

視線の流れがポイント

ウェブを見るときは、左から右へと、上から下へと視線を移す人が多いです。人間の特性を利用して、この視線の流れでデザインを作るとよいです。

印刷物、デジタルデザインを作る際の注意点

手に持ったスマートフォンと白い紙、観葉植物が飾られた木目調の背景の画像。

印刷物デザインとデジタルデザインを作る際の注意点として、共通して注意しなければならないのは視認性です。デザインが見やすいことはもちろん、なにを伝えたいのかがわかりやすくないといけません。

印刷物デザインとデジタルデザインを作る際の異なる注意点としては、情報量に上限があるのかどうかです。わかりやすくいうと、印刷物は印刷範囲内に全ての情報を入れる必要がありますが、デジタルはその縛りがありませんので上限なく情報を記載することができます。印刷物デザインの場合は注意が必要です。

デザインが作れる人気のツールやソフトを紹介

デザインが作れるツールやソフトを紹介します。

無料のツールであれば、canvaやFigmaの機能がシンプルで使いやすいです。

有料であればAdobeのillustratorやphotoshopがよいです。覚えるのに時間がかかりますが、印刷でもデジタルでも自分の思い通りのデザインが作れるのでオススメです。

印刷物デザインとデジタルデザインを使い分けよう

印刷物とデジタル、双方ともに魅力があります。自分がどのようなデザインを作りたいのかによって、使い分けるのがよいです。

印刷物デザインとデジタルデザインでは必要なスキルも違い、使用するものも異なります。どんなものに使用したいのか、どのような人を集めたいのかによって使い分けましょう。

例えば、シニアのゴルフ大会を集めたいのであれば印刷物デザインがよいですし、企業したい人向けにセミナーを開きたいのであればデジタルデザインの方がオススメです。

それぞれのよい面をいかしつつ、どのような人々を集めたいのかを考えてデザインを作りましょう。有効的なデザインを使うことによって、効果も高まることでしょう。