賃貸管理とは、アパートやマンションなどの物件と入居者を管理することです。また、いくら気をつけていてもトラブルが起こることは仕方のないことですが、事前にトラブルや予防策を知っておけば、対応できることもあります。
今回は賃貸管理の業務内容をはじめ、トラブルを回避する方法や、トラブルが起きた際の対応などを紹介します。最後まで読んで、参考にしてください。
賃貸管理の役割や業務内容

賃貸管理の主な役割とは、アパートやマンションを所有している方、いわゆる大家さんに代わり入居者に対して請求書を出したり家賃をもらうことです。
他にも建物の管理はもちろん、メンテナンスや掃除、入居者募集やクレーム対応など数多くの管理業務があります。
具体的な業務内容をわかりやすくまとめましたので、順番にみていきましょう。
大きく分けて、入居者に対する対応と建物管理があります。
入居者に対する対応
- 家賃の管理
- 賃貸契約の手続き
- 解約の対応
- クレームの対応
- 入居者募集
- 部屋修理の手配
- 近隣とのトラブル対応
建物管理
- 物件の掃除
- 物件のメンテナンス
- 建物修繕の計画
よくある賃貸トラブルについて

できれば避けたいトラブルですが、起きてしまうこともあります。よくある賃貸物件のトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。
家賃の滞納
トラブルの中でも特に多いのが、家賃の滞納です。信用問題につながります。
費用トラブル
初期費用や退去時にかかる費用が想定していたよりも高額になった、というトラブルもあります。管理会社に任せきりにするのではなく、わからない点や疑問に思う点があればその都度質問するようにして、何のお金なのかしっかりと理解してから契約や退去することが重要です。
騒音トラブル
近隣の人の生活音が気になり問題となる、騒音トラブルが起きる可能性があります。アパートやマンションの場合、部屋同士が接しているため生活音が聞こえやすくなってしまいます。
生活音は、大きな話し声や足音、夜中や早朝に洗濯機の回る音、音漏れなどが多いです。
自分では騒音だとは思っていなくても、周りからすれば騒音だと思われるケースも多いので気をつけることが必要です。
トラブルを未然に防ぐための対策
トラブルはどのようにして防ぐのがよいのでしょうか。
ルールを守る
まずは、自分がそのアパートやマンションのルールを守ることが重要なポイントです。自治体が作成しているガイドラインや契約した際にもらう管理規約を確認してください。きちんとルールを守れば近隣トラブルを避けられる可能性が高まります。
共用スペースをきれいに使用
エントランスホールや駐車場など住人みんなで使用する共用のスペースをきれいに使用しましょう。
監視カメラをつける
監視カメラなどを自宅の前に取り付けるのがおすすめです。監視カメラがあると近隣トラブルが起きた際の証拠にもなります。
生活音に気をつける
トラブルを避けるためには、他の住人に迷惑をかけないようにすることです。自分ではあまり気にならないようなことでも、隣の住人にとったら騒音になってしまう可能性もあるので配慮するのがポイント。例えば、扉をしずかにしめることや、歩くときに足音に気をつける、隣の部屋とのあいだに家具を置くようにして音漏れを防ぐ、などもおすすめです。
家賃保証会社に依頼する
家賃保証会社とは、家賃が払えなくなった場合に立て替えてくれる会社のことです。入居者の支払いを保証してくれるので、大家さんや管理会社にとって重要なものです。ひと昔前では、連帯保証人が必要でしたが、現在ではその役割を家賃保証会社がしていると考えるとわかりやすいです。
トラブルが発生したときの対応
どれだけ気をつけていても、トラブルが起きてしまうときがあります。その際、どのような対応をすればよいのでしょうか。
建物の設備関係のトラブルは、水漏れや設備故障など生活に支障をきたすものばかりなので、早く対応することが大事です。入居者はトラブルがあればすぐ管理会社に連絡し、自分で直さないようにしてください。自分で直してしまうと、管理会社に請求できない場合があります。
近隣住民とのトラブルは、自分たちで解決しようとせずに必ず管理会社に連絡してください。住人同士で注意しあうと、事件になることもあるため注意してください。
管理会社を選ぶポイント

管理会社を選ぶ際は、どのようなことに気をつければよいでしょうか。5つのポイントを順番にみていきましょう。
トラブル対応の早さ
住んでいて起きてしまうトラブルに、いかにはやく対応してくれるかは見極めるポイントになります。トラブルが起こった際の対応について担当者に質問してみて、しっかりと対策している会社であるか確認することが大事です。
空室が少ない
空室が少なければそれだけ入居者が多い、お客さまから選ばれている管理会社になります。賃貸経営が上手くいっている会社では、空室の期間が短いことが多いので、物件の入居率を確認してください。
管理手数料が相場である
管理手数料は、入居者が管理会社に支払うものであり、金額の目安は家賃の5%ほどといわれています。この金額よりも明らかに高かったり、反対に安すぎたりする場合には注意が必要です。手数料が安いと、建物のメンテナンスや掃除があまりされていないこともあります。
安定した経営である
管理会社の経営が上手くいってないと倒産してしまう可能性があります。経営状態がよい管理会社を選びましょう。
会社内で情報共有がされているか
急なトラブルが起きたとき、管理会社に連絡をすると担当者が休みの場合があります。しかし対応してもらわなければならないので、会社内で情報の共有が上手くしてある管理会社であれば安心です。
トラブルが起きた際の注意点

どれだけ気をつけていても、トラブルが起きてしまうことはあります。トラブルが起きた際に、注意しなければならないことを賃貸オーナーと入居者の立場から紹介します。
入居者から隣りの騒音が気になるといわれた
こちらは、入居者から隣人の騒音が気になるから注意してくれといわれたケースです。
賃貸オーナー
この場合、左右どちらの隣人の騒音なのか、本当に隣人なのか(1階に住んでいるのであれば上の階の入居者ではないのか)など慎重に特定をして、事実確認をする必要があります。
入居者
先ほども説明しましたが、自分で注意してはいけません。必ず管理会社に連絡するようにしてください。
エアコンや給湯器が壊れた
こちらは、エアコンや給湯器など物件の設備が故障したケースです。
賃貸オーナー
この場合は、基本的には大家さんや管理会社が負担して交換をします。はやめに交換するようにしましょう。
入居者
勝手に修理をしないようにしましょう。勝手に修理をした場合、代金を支払ってもらえなくなる場合があります。
こちらのケースの場合、どちらが故障したものを直すのか、契約書に記載してあるので確認することが重要です。
トラブルが起こった際にはすぐ連絡をしよう
賃貸管理は、アパートやマンションの物件と大家さん、そして入居者をつなぐ役割をはたしています。賃貸物件でトラブルが起きてしまったときは自分で解決しようとせずに、すぐに管理会社に連絡するようにしてくださいね。
また、安心して住むためにはできるだけトラブルにならないように、住人同士がルールを守って生活することも大事です。