メンタルコーチングとは、目標達成や問題解決をする、いわゆるゴールに向かってどのように行動したらよいか方法をサポートをすることです。あくまでも、対話を通じてクライアントの内面的な考えを引き出してゴールに向かって導いていく手法ですので、一方的にアドバイスするものではありません。

また、最近ではメンタルを鍛えたいとメンタルコーチングをする人が増えてきており、経営者はもちろん、実業家や会社員などさまざまな人が受けています。

今回は、メンタルコーチングとビジネスコーチングの比較やメリットについて詳しく解説します。ぜひ、最後まで読んで参考にしてください。

ビジネスコーチング中のメンタル面の課題について

ビジネスコーチング中に、次にあげる3つのことなどの行動をする場合、目標に向けた行動について取り扱う前にメンタル面の課題がないかを確認する必要があります。

  • 自分で考えようとせずに答えを求める
  • 自分以外の他者や環境のせいにして自分で解決しようとしない
  • 決意した行動をしないことを繰り返す

このように主体的に課題に向き合おうとしない決めたことを行動に移せず先延ばしを繰り返すケースがあります。

理論的に理解できても気持ちが伴わないと人は動けません。そうしたときに、課題そのものだけでなく、クライアントその人全体をコーチがしっかり受け止めて理解しようとすることで、本質的な課題を見つけることができます。

メンタルコーチングとビジネスコーチングの比較

ビジネスカジュアルな青いジャケットと白いTシャツを着用し、赤いファイルを持つ男性がオフィスの背景の前に立っている様子。

メンタルコーチングとビジネスコーチングにはどのような違いがあるのでしょうか。目標とテーマに違いがありますので、順番に詳しく説明します。

メンタルコーチング

メンタルコーチングは、精神面に関する課題に気づき、行動を起こせるように導くコーチングです。メンタルコーチは、クライアントの話を聞いて、問題そのものの解決の前に、その問題をクライアントがどう受け止めてどう影響を受けているかにも注意を払います。そこで問題の捉え方に原因があるときには、心理学の理論なども応用したアプローチで精神面を整えることを目指します。

ビジネスコーチング

ビジネスコーチングは、ビジネス領域を主なテーマとしたコーチングで、クライアントの仕事上の目標達成や成功に向けてサポートします。ビジネスコーチングでは、個々人のポテンシャルを最大限に引き出し、ビジネスを成功させることを目的としています。クライアントが組織のリーダーであれば、メンバーのやる気を引き出し、経営計画に基づいた組織の目標達成に貢献することが主目的となります。とはいえ、このアプローチの中でクライアントの問題認識にも課題が見つかれば、メンタルコーチングの要素も活用することがあります。

クライアントのストレス対策と必要なスキル

クライアントがストレスや不安を抱えている場合、まずは何がそれを引き起こしているのかを確認するアプローチを取ることが必要です。多くの場合、漠然とした不安を必要以上に大きく受け止めているので、それを明確にして整理するだけでもストレスや不安が軽減します。

また、状況への認識や解釈に、ある特定のとらわれのようなものがあると思われる場合には、どんなとらわれがあり、それが課題への向き合い方にどう影響しているかを探るためにメンタルコーチングのアプローチが役立ちます。

どのような状況のクライアントにメンタルコーチングが役立つのか

手に持った虫眼鏡で「自分」という漢字を拡大しているイメージ。

メンタルコーチングがより効果的と思われるのは、特定のテーマというよりも思い込みやとらわれなどを強く持っていながら、それが自分にどう影響しているかを自覚されていない相手に自己理解を深めてもらうようなケースです。この自己認識がうまくできていないことは、問題の原因を全て自分以外に求める他責思考や、逆に自分を否定してしまう自己嫌悪など、さまざまな形で課題を生み出していることがあります。

悩みやプレッシャーを自己成長の原動力にする人もいますが、それがブレーキとなって動けないような状態なら、メンタルコーチングで自己理解を深めることが解決への糸口となるでしょう。

ビジネスコーチングとメンタルコーチングを併用するメリット

クライアント自身でビジネスコーチングに求めるものとメンタルコーチングに求めるものを整理し分離して取り組めるのであれば、併用することのメリットもあるかもしれません。けれども、あえて併用するというよりどちらかのコーチングを受けながら必要に応じてコーチと相談しながらどちらのアプローチが有効かを考えていく方がよいです。

一人のコーチがどちらのアプローチも使える場合もあれば、そうでない時には必要に応じて別のコーチのサポートを受けるのもいいでしょう。

ビジネスコーチとして活動しながら、メンタルコーチングのスキルを学ぼうと思った理由

いろんなケースに対応するために、メンタルコーチングのスキルを知っておくことは役立つと考え、学んでいます。ただ、全てを使いこなすまで習得するのは大変なので、自分の得意領域を磨きつつ、その得意領域が相応しくないケースを見分けることができることもプロとして大切だと考えています。その判断ができるために、ビジネスコーチであってもメンタルコーチングのスキルを知っておく意味はあるでしょう。

メンタルコーチングとビジネスコーチングを統合したときの効果

どちらも明確に分離できるものではなくかなり重なりがあるので、意図的に統合して活用するというより、その時のクライアントやその時のテーマに合わせて調整することが最も現実的な活用法だと思います。

そのためには、クライアントが何を望んでいるのかをきちんと受け止めることがとても大事です。言葉で話していることだけでなくその背景や理由も確認することで、どちらのアプローチが効果的なのかも見えてくるでしょう。そして、それをコーチが一方的に判断するのではなく、クライアントと共有して確認しながら納得の上で進めることも重要です。

メンタルコーチングを検討しているビジネスパーソンへのアドバイス

紺色のスーツとストライプのネクタイを着用した男性が、白い背景の前で人差し指を立てている様子。

目標や課題に向き合うことに意欲的になれないとか、決めたことがどうしても継続できないなどの場合は、目標達成のための行動を整理して期限を設けるよりも先に、自分の課題に対する認識や解釈を見直すためにメンタルコーチングを取り入れることも有効でしょう。

このような状況では、すぐに行動を加速しようとするコーチングはふさわしくないと思われるので、メンタル面を扱うことができるコーチかどうかを確認することも必要です。

メンタルコーチングは信頼関係が重要

今回は、メンタルコーチングについて詳しく解説していきました。

メンタルコーチングは、クライアントのメンタル面での課題をみつけ、対話しながら目標達成のゴールに向かっていくものなので、お互いの信頼関係がなければいけません。そのためにも、自分にあったメンタルコーチを見つけることが必要です。

メンタルコーチを見つけるには、無料体験でお試しをして選ぶのがよいでしょう。体験してみてなんでも話のしやすい、相性のよいコーチを見つけてください。

メンタルコーチングは1度きりではなく何度も定期的に行うことでより効果があります。自分のペースで無理のないように、メンタルコーチと目標に向かって進むことが重要です。