色彩心理学は、デザインする上でとても重要なものです。顧客に企業のことを覚えてもらう、印象を強くするためには色彩心理学をうまく利用することが必須です。
今回は、初心者向けに色彩心理学でブランドの印象を強くする方法について紹介します。覚えておくと役立つので、最後まで読んで活用してください。
色彩心理学とは
色彩心理学について、初心者にもわかるように詳しく解説していきます。
色彩心理学とは、色の特徴や性質と、人間の心理に与える影響を研究するものです。グラフィックデザインやファッション、色を使ったあらゆるものに関係する学問のことをいいます。
色は私たちの生活に影響を与えていて、無意識のうちに色によって感情が変化したりします。その色彩の性質による影響をうまく活かせば、自分の感情をコントロールすることや相手に影響を与えることも可能になります。
色が与える影響とは

色は人にさまざまな影響を与えます。どのような影響を与えるのか紹介します。
赤
赤は、情熱や興奮、警戒心や注意力などの印象を与えます。赤色の影響により、交感神経に刺激を与え、気分を高揚させます。
オレンジ
オレンジは、暖かさや元気さ、陽気な印象を与えます。オレンジ色の影響により、明るく楽観的になり、親しみやすくなります。
黄
黄は、オレンジとも似ていますがより元気さや希望を与えます。黄色の影響により、明るさやポジティブなイメージになります。また、黄色は集中力を上げるときにも使われており、例えば危険な看板などにも使用されます。
緑
緑は、身体を癒したり、安らぎなどの印象を与えます。緑色の影響により、人の心を癒すのでリラックス効果があったり、筋肉の緊張をほぐすので疲労回復効果もあるといわれています。
青
青は、爽快感や冷たさなどの印象を与えます。青色の影響により、精神的に落ち着かせたり、集中力を高めたりします。
紫
紫は、大人っぽく神秘的な印象を与えます。紫色の影響により、高貴でミステリアスな雰囲気にしたり、個性を感じさせることもできます。
ピンク
ピンクは、可愛さや女性らしい印象を与えます。ピンク色の影響により、気持ちを晴れやかにしたりします。
水色
水色には、爽やかや繊細な印象を与えます、水色の影響により、心を落ち着けたり、開放感を与えたりします。
白
白には、純粋で潔癖な印象を与えます。白色の影響により、軽やかなイメージを与えたり、空間を広く見せる効果があります。
黒
黒には、力強さや高級で重厚な印象を与えます。黒色の影響により、相手を威圧したり、シックなイメージになります。
灰色
灰色には、穏やかや控えめ、曖昧な印象を与えます。灰色の影響により、気持ちを落ち着かせたり穏やかなイメージになります。
茶色
茶色には、自然をイメージさせ、ぬくもりや安心の印象を与えます。茶色の影響により、緊張をやわらげる効果や、信頼感を与える効果があります。
また、色のトーンで人は高級か安価かを感じます。高級感や信頼はネイビー、エンジなどのシックな色合いがよいです。
ブランドカラーを選ぶ際のコツ

ブランドカラーは、企業や製品、サービスなどを象徴するものなのでとても重要です。そのブランドカラーを決める際のコツには、次のようなものがあげられます。
ブランドの方向性を意識する
そのブランドの方向性に適したブランドカラーにすることで、その企業の押し出したい価値との差がなくなります。例えば、ビジネスホテルと高級なホテルで比較してみます。ビジネスホテルには彩度の高いものが使用されやすいですが、高級なホテルには落ち着いた色のものが使用されやすいです。
イメージを言語化する
顧客になってほしい感情を、色の持つイメージの中から最も近いものを選びます。例えば学生など若い人をイメージするならば明るさや賑やかなイメージ、40代〜50代をイメージするならば、落ち着きのある、上品などがイメージを言語化しましょう。
言語化したものを色にする
先ほど色の持つイメージを紹介しましたが、言語化したキーワードに合うものを選びます。
業界ごとに使われやすい色の傾向
業界ごとに使われやすい色の傾向というものがありますので、順番に説明します。
IT企業
IT企業では青色が最も使用されています。
飲食店
飲食店は暖色系が多いです。また、食品メーカーなども赤色などの暖色系を使用していることが多いです。
ファッション系
ファッション系など衣類関係は、安価ならパステルなどの明るい色合いが多いです。
医療関係
クリニック系は白など刺激しない色を使うことが多いです。産婦人科であればピンクを使用する病院があります。
美容関係
ピンク色やパステルカラーを使用することが多いです。
ロゴやパッケージデザインでの効果的な色の使い方
ロゴやパッケージをデザインするときには、商品のコンセプト、ターゲット層に併せてデザインをするのが効果的です。例えば沖縄のお土産ならカラフルでハイコントラストである、京都のお土産なら和の色合いで色数は使いすぎない、などがよいです。
Webサイトや広告で、効果的に見せるコツ

webサイトや広告で効果的に見せるコツを3つ紹介します。
ボタンは赤色など強い色にする
赤色はとても目立つ色ですので、メインカラーを赤色に設定する際には気をつけなければなりません。反対に、ボタンなど目立たせたい部分にのみ赤色を使用することで効果的になります。また、周りの色はそれを強調するために抑えるのもポイントです。
ディスプレイで差がでる配色は避ける
淡いベージュやグレーは視覚的な負担を軽減するためおすすめです。しかし、それを閲覧するパソコンやモニター、タブレット端末やスマートフォンの色調調整によっては、見えずらくなる可能性もあるので注意が必要です。どのデバイスで閲覧しても見えやすいように作りましょう。
目が疲れる背景色にしない
どんなに理想のイメージだったとしても、目がチカチカして疲れるような背景色は避けなければなりません。目がチカチカする理由は、背景色が明るすぎることです。視覚的負担を軽減させるために、背景色は白ではなく淡いベージュやグレーなど柔らかい色にするのがおすすめです。
カラーブランディングを保つため、企業が気をつけるべきこと
カラーブランディングを保つためには、最初にコーポレートカラーを決めて、どういった場合にどの色を使うかストーリーを作り上げておくことが必要です。
色彩を活用して成功したブランドの事例
色彩をうまく活用できているブランドは、Googleです。Googleは、青・赤・黄・緑色の組み合わせをみると思い出せるほど色のイメージが印象的です。
ブランドロゴがなくても色の組み合わせだけで認識させるのは難しいのですが、Googleは思い出す人も多いと思います。それほど、Googleの配色は印象深いものなのです。
色彩心理学をデザインに生かそう
ここまで、色彩心理学について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。色彩心理学をうまく活かすことで、よりブランドを覚えてもらいやすくなり、印象つけることができます。
また、配色はデザインする上でとても重要なものです。色を決めてデザインする際には、イメージだけではなく、実際のwebサイトやデバイス上でどのように見えるのかを検証しながら作成していきましょう。